2002/4/10
大宮6:56発〜高崎8:18着 829M E231(10)
大宮から高崎までは、E231系の普通列車に乗車する。高崎線の走行区間には関東平野が広がっており、 トンネルは1つもないし、見えるのは平凡な町や田んぼばかりだ。 しかも乗車したのが都心の通勤電車と変わらないロングシートの車両ということで、旅情は全くない。 結構忍耐の必要な区間といえよう。
高崎8:20発〜水上9:25着 727M 115(3)
ようやく高崎に着き、ここから旅は本番となる。車両は115系3連となった上、
高崎を過ぎると車窓には妙義山や榛名山といった群馬の山々が
見えるようになり、旅情がぐっと出てくる。
新前橋で両毛線、渋川で吾妻線を分けると、列車は利根川の渓谷沿いを進むようになる。
渓谷が深くなると、山側の上り線のみがトンネルを通るようになる。
単線から複線へと線路を増やした際、川沿いの平地が狭かったため、やむを得ずトンネルを掘ったのだろう。
やがて列車は渓谷沿いの温泉街である水上に到着する。
高崎から水上までは割と列車の本数も多く、1時間に1本程度走っているが、
水上より先は1日5本しか列車が走らなくなる。もちろん、その貴重な列車を狙ってここまでの行程を立てている。
水上9:50発〜越後湯沢10:25着 1731M 115(5)
水上で待っていたのは115系の5連だった。一日5往復の閑散区間にしては長い編成だ。
以前、正月休みに高崎から越後湯沢まで乗車したときは
(普段は水上で必ず乗換えなのだが、この日は臨時に直通運転が行われていた)、
高崎発車の時点で通路まで立ち客で一杯の大混雑だったが、
この日は本格的なスキーシーズンから外れた平日ということで、乗客はまばらだった。
列車は引き続き利根川の渓谷沿いを走り、しばらくするとトンネルに入る。
トンネルの中にはまるで地下鉄の駅のように湯檜曽駅がある。
実はこのトンネルは谷川岳を越える新清水トンネルで、その入口付近に湯檜曽駅がある。
ただし、上り線は清水トンネルという昭和初期に掘られた別のトンネルを経由するため、湯檜曽駅は地上にある。
湯檜曽を出ると列車はトンネルの中を延々と走る。
しばらくすると「トンネル駅」または「もぐら駅」として有名な土合に着く。
昭和初期に作られた清水トンネルは、谷川岳を越えるトンネルの長さをなるべく短くするため、
ループ線を使って標高を稼いでいる。
一方、戦後作られた新清水トンネルは、ループ線により距離や勾配が増えるのを嫌って、
標高の低い所を長いトンネルで一気に超えている。
そのため、土合駅付近では下り線が上り線よりかなり低い位置にあり、
下り線ホームから地上へは数百段の階段を登らないとたどり着けない。
この日、土合駅で乗降する人は皆無だった。
土合を出ても、また長いトンネルが続く。ようやく地上に出ると、
まだ雪が残っている。小説「雪国」の、「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」というシーンに登場するだけある。
(ただし、「雪国」が書かれた頃はまだ下り列車も清水トンネルを経由していたはずなので、今とは微妙に異なる)
トンネルを出てすぐの土樽駅で上下線が合流する。越後湯沢に近づくと、森の中に高層リゾートマンションがいくつも建っている。
バブルの遺産だが、今も入居者はいるのだろうか?
越後湯沢の駅は、新幹線の高架下にコンコースがある。
新幹線のホームは16両編成の列車が4本停まれるだけのスペースがある広大なものであるため、
コンコースも驚くほど広い。しかし、シーズンオフの今は駅には全くと言っていいほど人がおらず、不気味である。
今の時期にこの駅を利用する客は、新幹線と特急「はくたか」の乗り継ぎ客以外はほとんど存在しないだろうと思われた。
さて、ここから今日の本題であるガーラ湯沢駅に向かわねばならないが、次のガーラ湯沢行きを待つとかなりの待ち時間となる。
それよりは、ここからガーラ湯沢駅まで歩き、ガーラ湯沢からの便に乗った方が効率がいい。
次のガーラ湯沢発の列車まで40分もあるため、ゆっくり歩いてもたどり着くだろう。
越後湯沢駅を出て、人気のない温泉街を北へと進む。しばらく進むと建物がなくなり、
山手には真っ白な斜面が広がるようになる。この時期はもう営業していないが、ここもスキー場なのだろう。
さらに北へと進み、新幹線の高架下を抜けたりしてガーラ湯沢駅に着いた。発車までは15分ほど余裕が残った。
115系は編成前後で塗色が違った。青系統の方の塗色が新色。
ガーラ湯沢11:05発〜越後湯沢11:08着 4438C Maxたにがわ438号 E1(10)
ガーラ湯沢駅は営業はしているものの、予想通りがらがらだった。
駅のコンコースには、数人の若者がスキーの準備をしている他は誰もいない。
ただし、スキーを始めるには時間が遅いので、もう大半の利用者は山の上に行った後なのかもしれない。
ガーラ湯沢〜越後湯沢間は在来線の扱いながら、
走る電車はれっきとした「特急」であるため、18きっぷでは乗車できない。
ガーラ湯沢〜越後湯沢間の乗車券・特急券を買いホームへ降りる。ホームにはE1系が停車していた。
この車両がこれから乗る「Maxたにがわ438号」のようだ。
誰一人と言っていいほど乗客がないまま、ガーラ湯沢駅を出発する。
Maxの自由席2階は、3人掛けのリクライニングしないクロスシートが通路を挟んで左右に並んでいる。
新幹線の座席としてはあまり快適でないため一部のファンにはいたく不評なシートだが、
これだけ空いていると関係ない。何せこの車両の乗客は自分ひとりである。
3人掛けシートに寝そべってみたりするなどしているうちに、あっという間に越後湯沢に着いた。
真新しいガーラ湯沢駅。ホームにはE1系が待っていた。
越後湯沢11:57発〜水上12:38着 1732M 115(3)
越後湯沢では50分ほど時間があるが、することがない。
駅構内には越後の地酒を少しずつ試飲できるコーナーがあり、観光客には好評だが、
昼間から一人で飲酒しようという気にはならない。仕方ないのでホームで列車が来るのを待つ。
やってきた列車に乗り、土樽を過ぎると、列車はループ線に入る。ループ線で高度を稼ぎ、清水トンネルを抜けると、
「地上の」土合駅に着く。土合を過ぎると、再びループ線を走る。
線路は急な山肌を進むが、傾斜が余りに急なので、山を削るのではなく鉄橋のようなものが斜面に掛けてある。
そのため、窓から下を覗くとはるか下に地面が見え、スリルがある。
そして眼下には、これから通過する湯檜曽駅が小さく見える。ループ線ならではの眺めといえるだろう。
水上12:45発〜高崎13:46着 740M 107(4)
水上からはロングシートの107系で高崎へ。この車両、古い急行型車両のモーターや台車を流用しているので、
比較的新しい割にうるさいしよく揺れる。
高崎地区に幅広くはびこっており、かなりのがっかり車両といえるだろう。
この後は、行きと同じように高崎線へ乗り継いで帰った。
高崎には上信電鉄のタラコ色の車両がいた。