「新幹線スタンプラリー」制覇旅―JR東の新幹線と大宮のニューシャトルに乗る

 この年はJR発足20周年ということで各社でイベントを実施していたが、 JR東日本では「新幹線スタンプラリー」というのをやっていた。 東日本の新幹線各駅が首都圏・東北・上越・長野・山形・秋田のエリアに分けられ、 6エリアすべてのスタンプを集めるとグッズがもらえるというものだ。 今年の夏休みは北海道に旅行する予定だったため、 行きに列車を利用することで首都圏・東北・山形・秋田の各エリアのスタンプを集めることが可能だ。 そこで8月上旬のうちに18きっぷを利用し、残る上越・長野エリアのスタンプを集めに行った。

目次

2007/8/4

高尾〜小淵沢〜佐久平

 高尾から、松本行き普通列車に乗る。早朝というのに列車は混んでいて、 何とかドア横のロングシートを確保するのが精一杯だった。 車内は、大きな荷物を抱えた若者が多い。合宿にでも行くのだろうか。 それでも、大月あたりを過ぎると混雑も落ち着いてきて、 無事ボックスシートに座れた。

 小淵沢に着き、今度は小海線に乗る。こっちは普通列車から乗り継ぐ人は少なく席は確保できたが、 後続の特急列車から続々と人が乗り換えてきて混雑してきた。 列車は深い森の中をぐいぐい登り、清里に到着。予想通り、ここで一気に客が減る。 次の駅の野辺山は日本一標高が高い駅として知られる。行き違いのためしばらく停車するので、駅名標を撮影してみる。 また、この駅で新型のハイブリッド車両とすれちがった。


日本最高所の駅・野辺山。

 野辺山からしばらくは高原野菜を作る畑の間を進む。まるで北海道のような、本州離れした車窓だ。 その後、細い渓流沿いを下っていき、中込に着く。この列車は臨時列車のため、中込で定期列車に乗り換えて佐久平に向かう。


高原野菜の畑が続き、日本離れした風景が広がる。

佐久平〜高崎

 佐久平からは長野新幹線で高崎へ向かう。この前、バスでえっちらおっちら越えた横軽を、新幹線はいとも簡単に越えていく。 佐久平と高崎でスタンプを集め、所期の目的を果たした。


E2系「あさま」で高崎を目指す。

高崎〜大宮〜内宿

 高崎から普通列車のグリーン車に乗り大宮へ戻る。 まだ昼過ぎと時間があるので、前から気になっていたニューシャトルに乗車してみることにした。 暑い中、新幹線の高架下にあるニューシャトルのホームで列車を待つ。 運転間隔は15分とやや長い。ここのホームはループ線の途中にあり、 内宿方から来た列車は折り返さずに内宿へと戻っていく。何だか遊園地の乗り物のようだ。
 やってきた列車は新交通システムらしく車体が小さい。冷房装置は床置きの簡易なもので、利きがやや悪かった。 大宮を出ると、JR大宮工場や開館準備中の鉄道博物館の脇を抜ける。鉄道博物館前には新駅ができるようだ。 列車は上越新幹線沿いにどんどん北上する。南行きの線路は新幹線をはさんで反対側にあるようで、見えない。
 やがて、上越新幹線と東北新幹線が分岐するのだが、その分岐地点にニューシャトルの車庫、そして丸山駅がある。 丸山駅から先は何と単線となり、さらに北上する。大宮では立ち客もいた車内だが、すっかりがらがらとなって終点の内宿に到着。 内宿は住宅街が広がる静かな所だった。

2007/8/12

 この日は新幹線スタンプラリーのうち、残る首都圏・東北・山形・秋田の各エリアを集めつつ北海道へと向かった。 が、その日は盆の帰省ラッシュのさなかで、行きの新幹線は軒並み満席で全く予約が取れないという有様であった。
 えきねっとで何度も空席を確認した結果、直前になって辛うじて席を確保できたものの、 帰省ラッシュに見事に巻き込まれたのであった。

東京〜新庄

 東京駅は早朝というのにすごい人である。これから、つばさ号の新庄行きで北へと向かう。 山形新幹線といえば普段から混雑していることで有名な路線であり、指定席をとるのは困難を極めた。 それでも何とか予約した臨時のつばさ号(やまびこ号との連結なし)に乗り込む。 もちろん、東京駅で首都圏エリアのスタンプは押してきた。

 列車は東京を出て、上野、大宮でさらに客を乗せる。大宮出発時点で、当然ながら指定席車内は満席となる。 結局、山形まではずっと車内は満席であった。
 山形を出ると車内もようやく落ち着いたので、車内販売から駅弁を買う。珍しい車内販売限定の弁当だそうだ。 米沢駅の業者が作っているそうで、米沢牛ハンバーグが入っている。弁当を食べながら農村地帯が続く車窓を見ていると、 ようやく旅気分が出てくる。東京から4時間近くかけて、ようやく新庄に着く。


山形新幹線車内限定の駅弁「はらくっち」。

新庄〜大曲

 新庄ではしばらく待ち時間がある。が、今度の普通列車が混雑するであろうことが容易に想像できるため、 スタンプを押した後すぐにホームで列車を待つ。しばらくすると、列車が入線してきた。予想通り701系2連だった。
 列車に乗り込んで発車を待つうち、次々につばさ号からの乗り継ぎ客がやってきた。 結局、ちょっとしたラッシュ時のような状態で新庄を発車した。 ロングシート、しかもこのような混雑では車窓を楽しんでいる場合ではない。
 すぐに空くことを期待していたのだが、真室川を過ぎても車内の状況はあまり変わらない。 ここから先は山形と秋田の県境で無人地帯が続くため、 ここを超える人は少ないと思っていたが、意外だった。

 結局、峠を越えた湯沢で大量の下車があり、一気に車内が空いた。途中、横手で先日引退したキハ52+「風っこ」という 変わった臨時列車を見かけた。北上線の臨時列車のようだったが、キハ52最後のご奉公といったところか。


引退間近となった盛岡地区のキハ52。

大曲〜盛岡〜八戸

 大曲では乗り換え時間が少ないので、慌ててスタンプを押しつつ乗り換える。 乗車したこまち号は、上り列車とあってあまり混んでいなかった。 盛岡に到着し、東北エリアのスタンプを押して全てのスタンプを集め終えた。盛岡からのはやて号も混んでおらず、 ゆったり駅弁を食べながら八戸へ向かった。

 盛岡駅で購入した弁当は「鈴鐘万頃」と書いて「ちゃぐちゃぐばんけい」と読む。(読めない・・・) 岩手の観光協会プロデュースで、中には印刷された厚紙が入っていて、切り取って組み立てるとお祭りのジオラマができるそうだ。 (一応持ち帰ったものの試してはいない)


盛岡駅で購入した「鈴鐘万頃」。

八戸〜函館

 八戸駅では時間が余っていたが、これから乗る白鳥号の自由席がまた混みそうなので、早めに並んでおく。 ホームで先発の臨時「つがる」号を見送る。車両は485系3000番台だった。八戸まで来るとさすがに涼しく、 昼間の屋外にずっといてもそんなに辛くはない。


新車と見間違うぐらいに改造された485系。北海道にも足を伸ばす。

 しばらく待ち、白鳥号の自由席に乗り込む。予想通り、発車する頃にはデッキに立つ人も出た。 八戸から北上して三沢、野辺地と停車し、 陸奥湾沿いに走る。そういえば、海を見るのは今日の行程では初めてだった。
 列車は青森に到着。降りる人も多いが乗る人も多く、 車内は軒並み座席が埋まる。このあたりは以前乗車したときと変わらない。人が多いのもさることながら、 この日は子供連れが終始多くて落ち着かなかった。やはり混む時期に鉄道旅行などするものではない。
 夕暮れが迫る中、列車はさらに北へと進み、青函トンネルに突入。木古内を過ぎ単線の江差線を行く。 そういえば、江差線内ではいきなりトンネルの中で停車し驚いた。江差線は輸送力増強のためかなり無理やり信号所を設けたようで、 半分トンネルになっている信号所があるのだった。すっかり日の暮れた函館駅に着き、今夜の宿へと向かう。


北海道と本州を結ぶ789系「スーパー白鳥」。

2007/8/13

函館〜南千歳〜新千歳空港

 翌朝、函館駅に向かうと何故か力士が大量に駅にいた。 どうやら大相撲の巡業の移動中のようで、「スーパー白鳥」で本州へ向かっていった。 こちらは、「スーパー北斗」に乗って新千歳へと向かう。


ブルーの前面が目立つキハ281「スーパー北斗」。

 函館駅では「北の家族」という駅弁を買い朝食とする。函館らしく海産物を中心とした幕の内弁当だった。


函館駅「北の家族」。

 函館からスーパー北斗に乗るのはもう何度目かだが、途中の車窓はとにかく見所が多い。大沼小沼、駒ケ岳、噴火湾、 有珠山・・・。東室蘭から苫小牧のあたりは市街地が続くが、苫小牧から千歳までは無人の平原をいく。 こんな光景も北海道ならではだ。
 スーパー北斗号のキハ281では、先頭の貫通路から前面展望が楽しめる。 写真のような、どこまでも直線が続くいかにも北海道らしい光景にも出会える。スピードも最高時速130kmとあってスリル抜群だ。 普通の車窓に飽きたらぜひどうぞ。


キハ281の貫通路からの眺め。

私鉄乗りつぶし状況

新規乗車キロ数

会社名路線名乗車区間キロ数
埼玉新都市交通伊奈線大宮〜内宿12.7
合計12.7